Mioorto(ミオオルト)は蔵を改装した店内で味わうイタリア料理店です。

自家製生ハムのブレザオラ

プレザオラは、ミオオルトのスペシャリティのひとつでもある、飛騨牛A5のメスのうちもも肉を使った自家製生ハムです。

プレザオラとは

イタリア語では「干し牛肉」という意味合いですが、猪や鹿の干し肉のこともブレザオラということが多くあります。

イタリアは縦に細長く、沢山の地方性豊かな食材が点在していますが、ロンバルディア州ミラノの北に位置するコモ湖周辺のバルテリーナ地方でのみ生産されるものをプレザオラといいます。

牛肉の生ハムは、イタリアでは戦後のダイエットブームの中、脂肪分の少ない生ハムとして見直され、全土に広まり多くのイタリア人に好まれるようになったと言われています。

わたしとプレザオラとの出会い

コモ湖の1番北、スイスとの国境の街である、キアベンナの「リストランテ チェナーコロ」でお世話になっていた頃、このリストランテに納品しているお肉屋さんがキアベンナで1番有名なブレザオラの生産者でした。休日の度に、このお肉屋さんに通い、ブレザオラの仕込みかたを教えて頂きました。

ミオオルトのスペシャリテ誕生秘話

岐阜県出身である私は自分の店のオープンに際し、このプレザオラを飛騨牛で挑戦することを決めました。イタリアでは温度湿度の管理された部屋を3つほど変えながら熟成をかけ、完成に2ヶ月くらい要します。しかし私は当時、その部屋を用意することは難しかったため、冷蔵庫とワインセラーを使用してみたものの、うまくいきませんでした。あの飛騨牛をまるで捨てるかのように失敗を繰り返した日々の積み重ねの上に今があるといっても過言ではありません。

飛騨牛の部位は、もも肉の中でも赤身と霜降りのサシの部分のバランスと味の良いうちもも肉を選択しています。その部位はマルシンと言われる高級ステーキや高級しゃぶしゃぶで使用されるような部位です。

 

プレザオラは、イタリアを代表するパルマの生ハムとはスパイスと熟成の方法が異なります。ブレザオラのスパイスは、ほぼその土地の乾燥ハーブが使われています。私は自分の畑でローズマリー、セージ、タイム、マジョラムなどを育てています。花が咲く瞬間の1番香りが強い時に収穫し、それを乾燥させて使用しています。

 

熟成は腐敗、酸化との紙一重です。わざと少し長めに熟成をかけて、飛騨牛の可能性にかけています。ミオオルトで提案させて頂いている自家製ブレザオラは1年以上熟成をかけたものです。

 

どこにもない、ミオオルトのスペシャリテ「本物の飛騨牛生ハム」をぜひ一度味わってみてくださ。